もっと知りたい、活動賛助と寄付のこと【第6回】

寄付を受ける事こそが使命と考えて                IMG_1029

寄付について考えて来たシリーズ、最終回は寄付の意義を改めて考えてみます。

日本社会は寄付そのものに慣れていません。戦後、心付けやチップの習慣がなくなったため、お金を渡すことに照れがあります。武家社会以来の商いや金銭を卑む意識も残り、寄付に偽善的なイメージを持つ人もいます。自己アピールに利用する人もいる一方で、寄付は名を伏せるのが美徳という考えもあります。寄付した金額の行方についてきちんと報告を求める習慣も、根づいていません。

このシリーズでは一貫して、寄付行為は団体を育てるツールであるとし、また団体や人を育てる「投資」としての側面についても言及しました。が、寄付の一番重要な鍵は、寄付する側とされる側との間の健全な関係の作り方にあるでしょう。

ある人が、自分のお金を誰かの何かに役立てたいと明確なイメージを持った時、それに合致する活動への寄付につながります。あるいは活動を見て「自分もこの部分で社会の役に立ちたかったのだ」と気付く人もいるかもしれません。寄付は社会参加の一つのカタチなのです。

市民活動とは、何らか問題を自らが関わって解決し良い社会を作ろうとする行いです。寄付を受けることは、誰しもが、そうした活動に「参加」できる方法を示す、すなわち社会参画の「入口」を広くすることに直結します。こう考えると、寄付のご案内が「おねだり」ではないことが分かります。

寄付とは言わば、大勢の人に「あなたに、こんなチャンスがあります」というお知らせです。素直に伝えて「参加の機会」を差し上げましょう。そのぶん、そうした方々にきちんと報告をすることで、喜びや達成感を共有しましょう。

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